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夏の養生
- 2017.07.21 | コラム
中医学の経典である『黄帝内経』には、体にとってふさわしい四季それぞれの過ごし方に関する記載があります。
季節に合わせた生活を送ることで、体調不良や疾病を予防します。
これを「養生」と言います。
夏は、「蕃秀(はんしゅう)」と言って、万物が一番栄える季節です。
日照時間が長いため、夜は遅めに寝て、朝は早めに起きるのが良く、気持ちの面では、暑さを楽しんで怒らないことが重要です。
また、気を発散させ滞らせない様に心がけるべきです。
この養生法を守らないと、「心」を傷つけ、秋に適応できず感染症になる…と、黄帝内経には書かれています。
この養生法を踏まえ、現代ではどう過ごしたら良いのでしょうか。
精神面では、暑さを楽しんで怒らないようにすることが大事ですから、気温においても、人付き合いにおいても、イライラする環境からは距離を置きましょう。
なるべくカッとせずに、少しずつエネルギーを発散させることが大切です。
花の蕾が開くように、ゆっくりと優雅に汗をかくことを意識しましょう。
夏の植物・南国植物特有の青臭さと苦味を身体に取り入れると、清涼感へと変化します。
ニガウリ・オオバ・ミョウガなどを料理に取り入れ、お茶の時間はレモングラスやペパーミントティーなどで、心身をすっきりさせましょう。
東洋医学の知恵を取り入れて、すてきな夏を過ごし、気持ちよく秋をむかえましょうね。
また、美容のためにはもちろん、紫外線対策が必須です。
日焼けしたなと感じた日は炎症が進まないように、まずは冷却すべきです。
それから潤いを与えるシートパックなど、お手入れを欠かさないようにしましょう。
汗をかいてべたついたときも、日焼け後は砂漠のように乾燥しています。水分を与えた後には必ず乳液やクリームなどを使い油分でふたをしてあげましょう。
この記事を書いた人
渡邉大祐(医学博士・はり師きゅう師)